咬合平面板診断・設定器具 SHILLA Ⅲ

    SHILLA Ⅱ

    構造として、SHILLAⅡの平盤の代わりにモンソンの球面説から引用 した半径4inch(10cm)の球面盤に正中要素を採り入れ湾曲盤をとりつけたもので、 盤上には正中線、それを中心に左右各5本、前後的に3 本の歯列ガイド・ラインが刻印されています。
    盤の高さは49~60mmまで、矢状傾斜は±30°可変でき、そのほかSHILLAⅡと同様に矢状的正中調節・固定機構をもち備えます。
    盤自身が前後的に約30mm移動でき、また盤を裏返しにすれば平盤としても活用できる工夫がなされています。
    盤の高さ、矢状傾斜を調節することにより、歯軸の垂直性、左右同高性、矢状傾斜性といった空間的位置を咬合器上で具現化することが可能とになり、 歯列に対する垂直的、側方的、前後的位置の診査・診断、構築に対して有効に働くことはSHILLAⅡと同様です。


     

    症例への適用

    前歯部に活用する場合には、下顎中切歯切縁の理想とする切縁に高さ(Ex.根尖相当部から約 18mm、下唇皮膚赤色部粘膜境vermilion borderと同高、審美性)を前歯部の咬合平面とし、 昇降機構、矢状傾斜機構、 前後スライド・固定機構を調節することにより、盤の高さ、矢状傾斜度合いを設定します。

    臼歯部に適用する場合は、まず咬合平面の垂直的・矢状的通過位置の設定操作を行います。垂直的・矢状的通過位置は、基本的には下顎犬歯の尖頭から遠心隅角間に始点をおき、 下顎第二大臼歯頬側遠心咬頭頂、欠損歯の場合には後臼歯三角1/2 ~2/3の高さを参考にそれらを連ねた面とするのが一般的であり、咬合器下弓の下顎模型に対してSHILLAⅢの昇降機構、 矢状傾斜機構、前後スライド・固定機構を調節することにより盤の高さ、矢状傾斜度合いを設定します。

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